【本の紹介】「新講談 山中鹿之介」 忘れられた戦国ヒーロー

こんにちは! りあです!

今日は、歴史に詳しくなくても読めて、戦国時代にちょっと詳しくなれる本を紹介します!

「新講談 山中鹿之介」です。

実は作者の坂口有美子(HNはメルクリウス @merucuius1 )は友人。

初めまして。メルクリウス(本名 坂口有美子)です。
「新講談 山中鹿之介」の作者です。よろしくお願いします。
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※プロフィール画像の掲載は本人に許可をいただいております。

ほとんど素性を明かしていないのが勿体無いくらい、彼女もとっても面白くてネタ満載すぎる人なのですが、それはさておき。

私と同じアラサー女性、小さい子供が二人います。

みなさんところで、山中鹿之介って名前聞いたことあります?

おそらく、ほとんどの人が「ない」と答えるでしょう。

実は、元々は国民的に人気の戦国ヒーローだったのですが、大人の事情で国民の記憶から抹殺されてしまいました…。

でも実は、強くて真っ直ぐな心の武将! 一言でいうとやっぱりかっこいいです。

そんな武将の伝記を、今日はオススメしていきます。

ちなみに、私自身は大して日本の歴史には詳しくありません。

だからこそ、「え、歴史よく知らないんだけど?!」という人もぜひ安心して読んで欲しいです!

りあの歴史リテラシー
  • 日本史については、小学校で教える程度の知識のみ。
  • 戦国武将の名前は、ちょっとマイナーになるともうわからない。
  • 「歴女」ではない。(世界史は割と好き)

山中鹿之介って、どんな人物?

山中鹿之介のプロフィール

※パブリックドメインのwikipediaの画像を使用しております

山中鹿之介のざっとしたプロフィールはこちら。

  • 時代 戦国(1545)〜安土桃山時代(1578) 34才没
  • 出身 尼子(島根
  • 本名 山中幸盛(鹿之介は愛称)
  • 好物 タラの芽
  • 名言 「願わくば、我に七難八苦を与えよ
  • 好きなもの 三日月(兜が三日月だったらしい)
  • 特技 サバイブ、戦い
  • 欠点 人を信じすぎる
  • ルックス 小柄 多分、塩系のあっさり顔?

鹿之介が生まれた尼子と言う国は、弱くて政治もグダグダな、そんな国でした。

なので毛利家に乗っ取られてしまいます。でも、鹿之介は一生を通して尼子だけに仕え続ける、一本気な武将でした。

こう言うところが愛され、長いこと日本史の中で人気のヒーローで、

娯楽的な歴史小説、演劇にも度々登場していたようです。

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関連人物

山中鹿之介自体はあまり知られていないですが、意外にも超有名歴史人物との絡みがたくさん! 

毛利家(元就、吉川元春)

毛利家は、ファンが多いかもしれないですが、実はこの山中鹿之介にとっては宿敵!

広島(安芸国)が拠点で中国地方を中心に猛威を振るったので、鹿之介が死ぬ気で守ろうとした尼子(島根)を取り押さえてしまいます。

物語を読むと、かなりの冷酷な将軍に見えますが、その一方で

吉川元春は鹿之介に、どこか放っておけない魅力を感じていることも、物語から感じ取れます。

ちなみに、おしゃれ〜なブランド服のunited arrows直訳 束ねた矢)という名前は毛利元就の「細い矢も3本束ねれば強くなる、人間も団結すると強くなる」と言う名言が元ネタなんだそうです!

織田信長、明智光秀

追い詰められた山中鹿之介をかばうのが、あの織田信長。

(その関係で、鹿之介は数年間、光秀にも仕えていました)

しかし、しかし…!! 

これ以上はネタバレしちゃうので自粛ね。

読んでいると、かなり毛利家が冷酷に思えるのですが、

そのことについて作者の坂口有美子に話すと

秀吉が超いい人、毛利が標準織田は論外

だそうです。それが戦国時代。

豊臣秀吉

みんな大好き?秀吉さん。まだ、織田信長に仕えていた頃の話です。

ネタバレしないように言うと、鹿之介のことを気にかけて、すごく助けてくれます! なんだけど、なんだけど…!

とにかく読んでみてください〜!!

秀吉は、最下層の貧民から成り上がって弱者を大事にする人でしたが、その優しい人柄がこの小説からもすごく伝わります!

山中鹿之介が知られていない理由

山中鹿之介と言う名前を聞いて、ピンときた方は少ないと思います。

実は、鹿之介は太平洋戦争中にヒーロー扱いされすぎて、

逆に戦争の象徴として日本人の記憶から抹殺されたと言う悲しい過去があるのです。

鹿之介は、どんなに故郷の尼子が乗っ取られようと、他のところに翻った方がラクだろうと、

一切故郷を裏切らずに、尽くし続けた人でした。

この「国を裏切らない」精神が、太平洋戦争中には理想化され、

逆に、戦争が終わった後は「戦争の象徴」扱いされて、いなかったことにされてしまったんですね。

なんだか、今の「天皇制」「君が代」「国旗」に反対する人の論理と似てる…

そもそも、鹿之介さんが太平洋戦争を始めたわけじゃないし。時代全然違うし!

「新講談 山中鹿之介」の見所

鹿之介の驚異的な生きる力

尼子の城が毛利に取られた時に、放浪の旅へ

鹿之介がずっと仕えていた尼子の城は、ある時毛利家に取られました。

当時は、「武士は渡りもの」、あっさりと主君を変えて生き延びるのが当然、という風潮がありました。

今風に例えると、サラリーマンが潰れかけた会社はさっさとおさらばして転職した方が賢い、という感じ? 

しかし、鹿之介は「尼子の家を裏切ることなどできぬ!」と、毛利側に行くことを拒否、日本を放浪してしまいます!

しばらく放浪した後に味方を探し、見つけてしまいます。

吉川元春に捕らえられ、とんでもない方法で脱出し、山賊に

挙兵して毛利家(吉川元春)に戦いを挑むも、結局負けて、捕虜になりました。

そのあと厳重に包囲されていたはずの城から脱出しました。

今さらっと言いましたが、どうやったって??

えっと、まあ、その、とんでもない方法です。
読んでみてね!

脱出したあとはなんと山賊に転身していたそうです。

織田信長・明智光秀に仕え→再び城生活に

山賊をしていた時に色々縁があって織田信長に仕えることになります。

そして、豊臣秀吉に気に入られ、いろんな理由で再び城に住むことになります。

その後も色々あって…

つまり、鹿之介の一生は

貧乏人の武士→忠実な武士→浪人→武士として蜂起→捕虜→山賊→武士

という、とんでもなく波乱万丈な人生を超人的なタフさで駆け抜けた人生、だといえます。

「情けと恩」に命を賭けた武士の精神

拠点となった月山富田城

戦国自体は冷酷なのがデフォ、と思われがちですが、「情けと恩」を大事にするという一面もあります。

それがよくわかるのが、鹿之介が吉川元春(毛利家)と戦い、捕虜になった時のこと。

捕らえられた以上は、鹿之介はすぐに殺されてもおかしくなかったのですが、

毛利家のメンバーの中には、「鹿之介さんだけは殺さないで〜!」という人が続出。

なぜなら、毛利VS鹿之介のバトルの時に、鹿之介は直接対決した毛利家のメンバーを、あえて殺しはせず、生かしておいたから。

これはまさに、情けと恩のストーリーなんですね。

  • 情け→鹿之介 毛利家のメンバーをあえて殺さなかった
  •  →毛利家 鹿之介に命を助けられた恩を忘れなかった

文中には、こう書かれています。

戦国時代は、「裏切りは当たり前だった」とか(略)よく言われている。それはその全くその通りで

(略)その一方で、武士たちが「情け」と「恩」に命を賭けたことも忘れてはならない。強者の命を惜しみ、命を助けられた恩を思う。

「新講談 山中鹿之介」坂口有美子

武将のわりにピュアすぎる鹿之介

鹿之介の欠点は、「人を信じすぎる」ということ。

ことに戦国時代は、人を騙すこと・裏切ることは平然と行われていましたが、

鹿之介は対照的に、すぐに人を信じ、情にほだされ過ぎてしまうところがありました。

そのため、敵に付け入る隙を思いっきり与えてしまい、仲間を危ない目に合わせてしまうことがありました。

戦国武将としては致命的な欠点なのですが、それゆえに後世の人間の目には魅力的に映ります。

戦国時代の生活にまつわるこぼれ話

鹿之介の波乱万丈なストーリーだけでなく、この本には随所に当時の風俗が書かれていてそれも面白いです!

戦国時代は男色が流行していた

男色文化は、実は昔からずっと流行っていましたが、中でも戦国時代は男色流行のピークだったらしい! 

日本人は昔から古代ギリシャもびっくりの男色好き!
もちろんBL文化も昔からありました。

戦国時代は、女の子と自由な恋愛ができないし、逆に肉体的に鍛えられまくった男がわんさかいる世界だし…

小説には、鹿之介とは関係がないものの伊達政宗武田信玄の男色エピソードが書かれています。

でも、この小説自体はBLじゃないので、それは期待しないでくださいね!
あと、肝心の鹿之介さん自身にはそういう気は全くなかったようです!

戦国時代の人のちょんまげについて

イメージ 服部半蔵 
時代は少し後です。

戦国時代の人は、兜をかぶるためにちょんまげにしていました。

驚くべきは、そのちょんまげの髪がない部分は、一本ずつブチブチと抜いていたらしい!

拷問のように痛かったらしい!
金に余裕のなかった鹿之介さんは、生涯ずっと総髪(剃らない)だったみたいです!

でもこれは頭頂部の髪ないねえ

豊臣秀吉の時にカミソリが普及し、ブチブチと毛を抜く生活からは解放されたようです。よかったね!

最後に 戦国に興味があったら、ぜひ!

今回は、戦国武将の山中鹿之介を題材にした本を紹介しました。

時代物というと、感情移入できるかが心配で手に取りにくいと感じる人もいるかもしれません。

あとは、よっぽどのマニアじゃないと楽しめなさそうで、尻込みしてしまったり。

でも、山中鹿之介は諸事情で忘れられてしまったとはいえ、

それまではむしろ信長秀吉家康級?の、お茶の間的な歴史ヒーローでした!

なので、不器用ながらも一本気な武将の生き様を楽しむことができます!

少しでも興味のある方はぜひ読んでみてください!
kindle unlimitedで読めますし、
購入は¥535でできます!

あと、ぜひブログの「神話ログ」も覗きに来てね

彼女自身(素性を明かしてないからわかりづらいけど女です)もネタ満載な面白い人なので、ちょくちょく紹介していけたらと思い

おーい! 暴露話はやめろー!!

私は自分の体験談や現代女性の人生について、かたや彼女は神話や歴史についてなので、

だいぶジャンルが違いますが、よかったら見に行ってあげてくださーい!

最後まで読んでくださって、ありがとうございましたー!
もう一度神話ログのリンク貼ります。

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